平屋に住まう―デメリット編―

平屋に住まう―デメリット編―

2017年09月05日(火)6:00 AM
日本の伝統的な住宅としての平屋は、近年最近人気を集めています。高齢化や世帯人数の減少、バリアフリーが考えられた間取りなど、少人数の家族にとって、住みやすい環境ができているからです。
平屋に関して、多くのメリットが語られることが多いですが、何事にもデメリットというのは存在します。
しかし、デメリットを知ることによって、予め対策を立てることも可能できるのです。
ここでは、平屋住宅のデメリットについて紹介したいと思います。

1、プライバシーの確保

平屋住宅では、一般にプライバシーの確保が難しいです。これは「家族とのコミュニケーションがとりやすい」というメリットとも関係があります。
平屋住宅では、階上がないため、必然的に家族で顔を合わせる機会が多くなりますよね。

また、2階建てだと一般に2階に寝室、子ども部屋などを配置することができます。
しかし、平屋住宅ではすべてが1階に集まります。
それゆえ、夜部屋を涼しくするために窓を開けていたら、気を付けていないと外から見られてしまいます。
また平屋住宅では、防犯の観点からも、夜に窓を開けることは避けたほうがいいでしょう。

プライバシーの確保への対策としては、それぞれがくつろげるスペースができるように間取りを仕切ること、個人のスペースを意図的に設計にしっかりと組み込んでおくことが大切です。
また外からの視線に対しては、外構や木で視線を遮る、寝室の窓は曇りガラスにする、窓の高さを変えて視線が入り込めないようにすることなどの対策が大切になります。

2、日当たり

 平屋住宅は、基本的に平面に広い形状になります。それゆえ、間取りや窓の設置位置にもよりますが、部屋の奥が少し暗く感じる場合があります。
夏だとあまり気にならないかもしれませんが、冬場は太陽の光が弱くなるので、それを顕著に感じてしまうのです。また、間取りを考える際にも、各部屋の配置によっては廊下が長くなってしまうこともあります。
その場合、1階で全ての動線が完結できるという平屋住宅のメリットを失うだけではなく、廊下に日当たりがなく、真っ暗な廊下になってしまうこともあるでしょう。

 日当たりへの対策としては、中庭を作ってプライバシーを確保しながら通気性と光をと入り入れる方法、勾配天上を取り入れて高い位置にも窓を設置して光を取り入れる方法、天窓を導入し上部から光を取り入れる方法、開口部を広くして外部からの光を取り入れる方法などがあります。
なかなか日当たりというのは、図面からだけではイメージをしにくいものです。そのため、平屋住宅を考える際には意識的に光を取り入れるようにするといいでしょう。

3、防犯対策

 平屋住宅では、一般的に日当たりや通気性を良くしようと窓や開口部を増やす傾向があります。
これは周囲の環境にもよりますが、平屋住宅にした場合は防犯対策を忘れてはいけません。
例えば、大きな窓は開放感を住宅にもたらしてくれる一方、侵入経路を確保している事にもなります。
対策としては補助鍵や防犯フィルムの利用です。防犯フィルムは窓を割って侵入しようとしてくる不審者に有効な方法です。

また、窓の外のセンサーライトや物陰を作らないようにすることも大切です。
どんな人間でも、警戒心が強い時にいきなりライトが付いたら驚くものです。こうした精神的な牽制も有効になります。
物陰を作るという事は、隠れる場所を提供することにもなるため、こまめに庭は掃除したり、大きな箱など隠れ場所を作らないようにしたりすることが大切です。  

4、間取りの注意点

 平屋住宅では、全てのものが1階に集まります。それゆえ、音が発生しやすい場所と静かなところは離して設計しておいたほうがいいでしょう。
具体的には、キッチンや洗濯機などの水を扱う場所と、居住空間のバランスです。思ったよりもキッチンでの水の音、もしくは洗濯機を動かす際の水道水や機械の動作音というのは気になるものです。
なので、これらの水モノ系は人が長時間滞在しないような場所や、リビングの距離とのバランスも考えながら設計する必要があるでしょう。

しっかりとデメリットを踏まえた上で、それぞれの対策を講じましょう。

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