あこがれの自然派ライフ!自然素材で健康住宅を建てよう6|塗料の種類と特徴

あこがれの自然派ライフ!自然素材で健康住宅を建てよう6|塗料の種類と特徴

2017年07月13日(木)6:00 AM

これまで前5回に渡って、健康住宅のための床や壁、柱などに人気の自然素材をご紹介してきましたが、最後に重要な素材が残っています。そう、塗料です。床や柱に木材を使う際、切りっぱなしの木材を使うのではなく、木材を長持ちさせるためにもなにかしらの塗料を表面に塗ります。ニスなどが分かりやすい例ですね。せっかく木材をこだわったのに、その特性を殺してしまうような化学物質の塗料を使ってはもったいないと思いませんか?今回は仕上げの天然塗料をご紹介しようと思います。

・漆(うるし)
漆の木から採取した樹液を精製して塗料にしたものです。天然塗料の中では最も強い素材で、木材・金属・ガラス・紙などにも使用することができますが、一般的には木材に多く使用されます。時間の経過と共に硬化して木部を美しく保つことがその理由の一つです。長所としては、艶やかで高級感がある点や、掃除・塗り替えがしやすい点、シックハウス症候群の原因にもならない点が挙げられます。ただし、人によっては漆で「かぶれ」の症状出るというところは注意が必要です。事前にパッチテストを行い、かぶれが出ないか確認してから使用することをおすすめします。価格は比較的高価ですが、バランスの良い塗料だと言われています。

・柿渋
柿渋は、化学物質を含まないというところだけでなく、製造の過程においてもCO2排出量が非常にすくないという人間にも自然にも優しいエコな天然塗料です。古くから木や布、紙などに使用されており、その安全性は飲むことができるほどです。柿渋に含まれるタンニンという成分には、防虫や防腐、殺菌、防水などの効果があり、さらにはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を吸収する働きもあります。価格はリーズナブルですが、日光に当たると色が濃くなるので色むらが出ないように使用箇所には気をつけましょう。

・蜜蝋ワックス
蜜蝋とは、ミツバチの巣の材料です。食べられる成分でできているため、子供部屋のフローリングなどにも安心して使用できます。また、室内の空気を綺麗に保ち、乾燥させた塗膜は静電気を防止する効果もあります。ホコリなどが飛び散るのも防げるので、シックハウス症候群やアレルギーの予防としても有効だと言われています。

セラックニス
 セラックニスは、インドやタイに生息する甲殻虫の分泌液に含まれる樹脂成分を生成してアルコールで希釈したものです。家具や工芸品に塗るニスとして使われる他、木のヤニ止めとして古くから使用されてきました。塗装用は食べられませんが、医療用や食用の商品も出ている安全な成分の自然塗料です。塗りやすく乾燥が早いため工期が短縮でき、塗った後も塗膜が柔らかく弾性があるため剥がれにくいというメリットもあります。価格は安価で使いやすいという特徴もあります。

いかがでしたか?中には口に入れても安全だという自然塗料まで存在する事に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。塗料には見た目を美しく仕上げる他、木材を腐食や変色からも守ってくれるという重要な役割があります。最も体に触れる頻度の高い塗料にはぜひともこだわっていただきたいものです。さて、今回のシリーズでは自然由来の住宅素材を多くご紹介してまいりました。自然素材には種類も数多くあるので、素材の特徴を知り、適材適所で取り入れる事が大切です。自然素材の家をご希望の方はぜひ、この記事を参考にご検討していただければ幸いです。


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